鳥を記す

はじめまして。さいたま市とその周辺で、野鳥を中心とした自然観察を楽しんでいます。おもに鳥についてのブログになると思いますが、鳥の写真はありません。風景と植物だけです。

飛島探鳥旅行<3>

離島の鳥見の面白さ

 5月1日午前10時45分、予定通り飛島に上陸。その後、3日午後3時45分の船で島を離れるまでのあいだ、実によく歩いた。午前5時から7時まで早朝探鳥。8時には出発、宿に帰ると午後6時近い。その間、鳥を訪ねて歩きまわる。歩数計の記録は、1日14306歩、2日20268歩、3日19974歩。1日の消費カロリーは最高2100Kcal。バードウォッチングでダイエットできるのでは、ないだろうか?しかしその分、食べている。というより食べなければ動けない。そういう3日間だった。

f:id:doroyon:20160514092936j:plain

   <島のあちこちで八重桜が満開だった>

 

 3日間で見聞きした鳥は76種。行き帰りの航路や酒田港で見た鳥を加えると80種を超える。これは多いのか少ないのか? 仲間のひとりで、離島の鳥見歴20年以上の大ベテランは「今イチだったな」という。しかし、離島の鳥見歴7年の私にとっては、かなり面白かった。

 

 さいたま市内ではめったに、あるいはほとんど見られない鳥としては、ヤツガシラ、シマゴマ(声だけ)、キマユムシクイ、ムネアカタヒバリ、コホオアカ、キマユホオジロ。ヤツガシラは近距離でじっくり見られた。冠羽もちらっと広げてくれた。長いくちばしでミミズなどを掘り出し、器用に食べていた。その近くに、やはりミミズ好きのトラツグミもいた。

 キマユムシクイは海外のツァーで見ているが、どこで見たか思い出せないぐらい、ちゃんと見ていない。望遠鏡に入れてもらって「はい、これがキマユムシクイ」と教えてもらっても、身につかないらしい。「ああ、これがキマユムシクイなんだ、なるほど」と、キマユムシクイを実感できたのは今回が初めて。キマユホオジロはあちこちで見ることができた。

 

 さいたま市内では多数見られない鳥が当たり前に見られたり、ありえない風景が見られるのも離島の魅力である。たとえばキビタキオオルリやムシクイ類といった夏鳥。渡りの時期には、市内のマイフィールドでも見られるが、数は少ない。シーズン中に1回か2回お目にかかれれば、大満足である。それが、あっちにもこっちにもいる。オオルリ♂が2羽、同じ枝にあたりまえのようにとまっている。離島ならでは、の鳥景色であろう。♂が2羽でバトルにならないのは、疲れ果てているからか?

 家屋と家屋の間の狭い水路で、キビタキがムカデを食っている。木に止まっていないキビタキも、離島ならでは。エゾムシクイとメボソムシクイが、同じようなところを飛び回る。さえずらなくても、時々止まってくれるので、その違いがわかる。ムシクイ類をじっくり観察できるのは、離島探鳥の大きなメリットの一つである。ムシクイ苦手な私にとっては、ムシクイ観察目的だけでも、離島に渡る価値は十分にあると思っている。

f:id:doroyon:20160514093613p:plain

     <こんな水路にも鳥がいる>

 

 ツグミ類がいろいろ見られるのも楽しい。ツグミアカハラシロハラ、マミチャジナイ、クロツグミが同じキヅタに集まって、食えや歌えやのお祭り騒ぎ。秋の戸隠でも、ここまで揃うことは珍しいだろう。このお祭り騒ぎを聞いていると、ツグミの「クエッ、クワッ」という地鳴きだけが特徴的で、赤・白・茶・黒の地鳴きは、どれが何やらまったくわからない。マイフィールドで地鳴きを聞いて「今のはシロハラ」「これはアカハラ」などと、分かったつもりになっていたのが恥ずかしい。普段の鳥見の態度を反省させられるのも、鳥がうじゃうじゃいる離島ならでは、かもしれない<続く>

f:id:doroyon:20160514094231p:plain

<道標にはカタカナや数字が記されているので

待ち合わせや鳥情報の交換に便利>