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鳥を記す

はじめまして。さいたま市とその周辺で、野鳥を中心とした自然観察を楽しんでいます。おもに鳥についてのブログになると思いますが、鳥の写真はありません。風景と植物だけです。

行く末が心配

 冷たい風の中で、一羽のチョウゲンボウホバリングを続けている。双眼鏡でのぞくと頭も背も淡い赤みのある褐色。雌である。風はやや強く、時折バランスを崩して流される。が、すぐに体勢を立て直し、ホバリング。その視線はキャベツ畑の一点に注がれている。ターゲットは何だろう? 寒さを我慢してしばらく見守ることにした。

 突然、急降下。その姿はキャベツの葉の間に消えた。このキャベツはどういう品種なのか、紫がかった大きな葉を茂らせており、動きはまったく見えない。時間にして十数秒たっただろうか。飛び立った彼女を見て、ギョッとした。足指で何やら大きな茶色いものをつかんでいるのだ。ネズミや小鳥なんてものじゃない。ハト? コジュケイ? チョウゲンボウにしては大物だ。小学生が一尾数百キロの大間のマグロを釣り上げたようなものだ。被害者は誰だ? あわてて双眼鏡で追う。

 視野に入ったものを見て、再びギョッとした。獲物は、大きな、枯れかけたキャベツの葉だった。!!!??? 以前、魚をぶら下げて飛んでいたオオタカを見たときも、これほどは驚かなかった。チョウゲンボウにもベジタリアン登場? 動物食がメインの鳥だって、冬のさなかには木の実をつついたり餌台に置いた果物を食べたりする。でも、よりによって猛禽類だよ? ほんとに食べるの、それ? 

 こうなったら、キャベツの葉を食べるシーンをぜひ見たい。食べた後の表情まで確認したい。ワクワクしながら、その姿を追っていたら…ふいにキャベツの葉をポイッと捨てて、そのまま飛び去った。ガッカリ。その一方で、ちょっと安心。信じていた何かが崩れ去るところだった。

 

 それにしても! あのコは何でまた、キャベツの葉なんか掴んだのだろう? ターゲットを葉っぱごと掴んだところ、逃げられて葉っぱが残ったのだろうか? それとも、単なる見間違い? いずれにせよ、ドジな娘だ。ワクワクさせてくれてありがとう。でもね、キミ、はたしてこの先、チョウゲンボウとしての生態系上の責務を全うできるの? ちょっと心配である。

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