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鳥を記す

はじめまして。さいたま市とその周辺で、野鳥を中心とした自然観察を楽しんでいます。おもに鳥についてのブログになると思いますが、鳥の写真はありません。風景と植物だけです。

秋のキジ

 私のフィールドでは、春以外の季節にはキジの姿をあまり見かけない。留鳥だから、その辺にいるはずだが、見かけない。他の場所はどうなのだろう? と思って、「日本野鳥の会埼玉」公式ホームページの「30年間の探鳥会記録」というサイトを調べてみた。同会がこの30年間に開催した探鳥会の記録が、鳥の種類毎にまとめられている。ここでキジの「月別出現率」を見ると4月~6月は60~80%。これに対して9月~1月は20%前後である。他の場所でも、キジは秋冬には見る機会が減っているようだ。

 

 先日、珍しく“秋のキジ”にお目にかかることができた。蓮田市のある田んぼの脇で、渡りのサシバを待っていた時のことだ。耳慣れない「キェッ、キェッ」という声が、眼前の刈田から聞こえて来る。かすれ気味の小さな声。まもなく刈田の隅の草むらから、一羽の雄のキジが現れた。換羽中なのか尾は短めであるが、顔や背などの色合いは美しい。伸び始めた二番穂のあいだを、「キェッ、キェッ」と鳴きながら、ゆっくり歩きまわる。そこに、もう一羽が現れた。全身、茶褐色。赤いお面をかぶったような顔。雄の若鳥である。茶褐色に見えた体にも、よく見れば光沢のある緑色が散らばっている。

 2羽は「キェッ、キェッ」「キュ、キュ」と、つぶやくように鳴き合いながら連れだって歩く。常に成鳥が先導しているわけではない。後になったり先になったり、近づいたり離れたり、である。さらにもう一羽の若鳥が加わった。これも雄である。彼等は田んぼをうろついた後、舗道に出てきた。デッキチェアに座ったまま動かない私は、まったく警戒されていない。わずか数メートル先で立ちどまり、何か食べ物でも見つけたのか、道をツンツンと突く。そして道を横断し、向こう側の薮に消えて行った。その後もしばらく、3羽で鳴き交わす小さなかすれ声が、聞こえた。

 

 ところで、あの3羽は親子なのだろうか? 繁殖期には複数の雌を連れ歩くキジの雄が、秋には “イクメン”?? どうも腑に落ちない。一緒にいた子供が雄ばかりというのも不思議である。手元の図鑑(『フィールドガイド日本の野鳥』)を開いたら…なんだ、ちゃんと書いてあるじゃないか。「秋冬には雌雄それぞれ別の群れを作っていることが多い」…納得した。彼等は、親子とは限らないのだ。群れのメンバーがたまたま、おっさんと若者達だったのだろう。

 それにしても、図鑑は図を見るだけではいけない。ちゃんと説明文も読まなくては。

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