読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

鳥を記す

はじめまして。さいたま市とその周辺で、野鳥を中心とした自然観察を楽しんでいます。おもに鳥についてのブログになると思いますが、鳥の写真はありません。風景と植物だけです。

孤独な季節が来る前に

 夏の間、ほとんど見かけることのなかったモズが、秋の初め、けっこう目立つところで高鳴きを始める。季節が進むにつれて、どこもかしこも高鳴きだらけになる。2羽がほとんど同時に鳴き出すこともある。モズの高鳴きは、冬を過ごす場所のなわばり宣言と考えられる。なわばりが決まるまでは、とにかくキーキーケーケー、にぎやかだ。

 高鳴きをしているモズを見ていると、オスもいるしメスもいる。今年生まれの若鳥もいる。老若男女を問わず、どんなモズでもなわばり宣言をしている。モズは自分以外のすべての個体をなわばりから追い払い、たった一羽で冬を過ごす。さっき見た、あのモズ。下面にうろこ模様があるのでメスかと思ったら、翼に小さな白斑がある。今年生まれのオスの若鳥だ。高鳴きの声は成鳥と全く変わらない。大きく口を開けて堂々と自分の存在をアピールしている。「ここはボクの領地だ!みんな出てゆけ!」と叫んでいる。半年前には、まだ卵の中にいた子だ。それを思うと、ちょっと感動する。

 

 ところでモズは、高鳴きに続けて、何やら複雑な鳴き方をすることがある。甲高い高鳴きとは全く違う、つぶやくような小声である。何かの鳴きまねかもしれないが、よくわからない。そのまま鳴き続けることもあるし、いきなり鳴きまねに変わることもある。数日前に聞いたのは複雑な声からの「オーシーツクツク、オーシーツクツク」であった。高鳴きから複雑な声、さらに鳴きまねという連続技は、私の観察の範囲内では、オス限定である。メスがこれをしているのを、今までのところ見ていない。

 モズのオスは、メスを誘うために鳴きまねをする、という人もいる。だとしたら、高鳴きで「ここはオレのシマだ!」とアピールした舌の先も乾かぬうちに「ねーねー、そこのカノジョぉ~」みたいなことを言っていることになるが? なわばり宣言をして、周りにライバルがいないことがわかると、いい気分になって、つい歌ってしまうのだろうか?

 あんなににぎやかだった高鳴き合戦が、ここのところ少し静まってきた。なわばりが確定したのだろう。モズの孤独な季節が始まろうとしている。