鳥を記す

はじめまして。さいたま市とその周辺で、野鳥を中心とした自然観察を楽しんでいます。おもに鳥についてのブログになると思いますが、鳥の写真はありません。風景と植物だけです。

シロハラホオジロ命名の謎

   相性が悪いのか振られっぱなしで、ウラジオストックまで行っても振られたシロハラホオジロに、ついに会えた。2015年5月4日、舳倉島の水場近く。草むらに見え隠れする白黒の縞模様の頭。これこれ、この縞模様が見たかった~! 白・黒・白・黒と、ほんとに縞模様だ! あれ、何言ってるんだろう? 感激のあまり、何が何だかわからん!!… といった興奮状態が収まって、気がついた。「この鳥は、顔のインパクトが強すぎて、他の部分の印象が薄い、というか、あまりない」。

 周囲のカメラマン達からも、こんな会話が聞こえてきた。「腹の白いところ、撮れなかったよ」「腹、白かった?」「いや、シロハラっていうほど白くなかったぜ」…そのとおり、腹なんてほとんど目立たないのである。いったいなんでシロハラホオジロという名前がついたのか? 目を引くほどに腹が真っ白だったとしても、多くの人はそれ以上に、特徴だらけの頭に目を奪われるだろう。そこを敢えて腹に注目した人が命名したのだろうか? たしかに下から見れば、腹が白いかもしれない。しかし、草むらの中を動き回ってばかりのこの鳥を見上げる機会は、めったになさそうである。それなのに、なぜ? カシラダカオオジュリンの方がよほど“シロハラホオジロ”だ。

 言い方を変えれば、あれだけインパクトのある頭の縞模様が、名前に反映されていないのが惜しい。もっと特徴を活かした名前はないものか? “スイカホオジロ”…どなたかのブログに、頭はスイカのような模様、と書かれていた。 “ダイモンジホオジロ”…正面から見ると白い線が「大」の字になっている、と書いてある図鑑があった。これなんか、いいかもしれない。

 

 鳥の標準和名を見直そうとなった時に、真っ先に候補にあがるのがアホウドリ、その次はシロハラホオジロじゃないか? と思うぐらいに、へんな名前である。それにしても、この鳥に会うことがなかったら、その名前の違和感に気づくこともなかっただろう。