鳥を記す

はじめまして。さいたま市とその周辺で、野鳥を中心とした自然観察を楽しんでいます。おもに鳥についてのブログになると思いますが、鳥の写真はありません。風景と植物だけです。

分業体制

キジやオオヨシキリは一夫多妻であるそうだ。探鳥会などで、これらの鳥が現れると「うらやましいねぇ、○○さん、イヒヒ…」という人がいて、○○さんは「冗談じゃねぇよ、一人だって大変なんだ。何人もいたら死んじまう」。探鳥会の「あるある」風景である。 広…

飛島探鳥旅行<4>

飛島で鳥を楽しむためには 当然のことながら、鳥のいるところへ行かなくてはならない。これが意外とたいへんである。平坦な舳倉島との大きな違いで、鳥が多い島の中心部へ行くには、急な石段を登る。島の人にとっては津波からの避難路である。我々の宿からい…

飛島探鳥旅行<3>

離島の鳥見の面白さ 5月1日午前10時45分、予定通り飛島に上陸。その後、3日午後3時45分の船で島を離れるまでのあいだ、実によく歩いた。午前5時から7時まで早朝探鳥。8時には出発、宿に帰ると午後6時近い。その間、鳥を訪ねて歩きまわる。歩数計の記録は、1…

飛島探鳥旅行<2>

海を渡る小鳥1羽 定期船「とびしま」は217トン。粟島や舳倉島の連絡船より少し大きい。船に乗り込むと早速アナウンスがあった。外海に出ると波が1.5mあり、揺れが予想されるので気をつけてほしい、とのこと。1.5mの波は、これまでの私の基準では「波はほと…

飛島探鳥旅行<1>

2016年5月1日から5月3日、鳥仲間4名と山形県の飛島へ行ってきた。ここでは、鳥以外のことも、あれこれ書いておく。次回は物忘れがひどくなっているかもしれないので、自分のための備忘録として。また、これが、飛島にこれから行く方に少しでも参考になれば嬉…

そういえば…

ここのところ、マイフィールドでシメの姿を見かけていない。いつ頃からいないのかフィールドノートを調べたら、3月12日までは頻繁に記録されている。それ以降、出て来ない。ツグミはまだ、たくさんいる。一時期よりも増えた気さえする。ジョウビタキもいる。…

ひとこと付け加えます

昨日(2016年2月25日)更新した当ブログについて、ひとこと。公園の立入禁止領域にいるヤマシギについて記したが、どこから観察したかには触れていなかった。だから、立入禁止の場所に入り込んで観察したのか、と思われたかもしれない。 「安心してください…

午後の怪しいひととき

ヤマシギは、かなりの奇面である。目がついている場所が上過ぎるのだ。そのため、ひょうきんで間抜け、「化け物」・「妖怪」のテイストも感じさせる「ツッコミどころ満載」の鳥である。目が、もう少し違う場所についていたら、意外に「かっこいい鳥」だった…

行く末が心配

冷たい風の中で、一羽のチョウゲンボウがホバリングを続けている。双眼鏡でのぞくと頭も背も淡い赤みのある褐色。雌である。風はやや強く、時折バランスを崩して流される。が、すぐに体勢を立て直し、ホバリング。その視線はキャベツ畑の一点に注がれている…

初“鳥”詣

元旦には、マイフィールドへ鳥を見に行く。二十数年来の習慣である。これを「初“鳥”詣」と称している。さいたま市に越してからは、見沼自然公園とその周辺に出かけている。 今年は少しコースを変えて、公園からすぐに見沼代用水東縁沿いの道に出た。センダン…

カモの声

鳥好きの間でも、カモの声はあまり話題にならないように思う。なんとなく、どのカモもグワグワとかクワクワとか、アヒルのような声を出しているようで、興味を持つ人が少ないのだろう。その中にあって、ヒドリガモは異色である。「ピューン」という、口笛の…

冬の使者

「今年も冬の使者ハクチョウが○○湖に姿を現しました」なんていうニュースが放送される季節になった。冬の使者は場所によって違う。九州ではマナヅルやナベヅルなのだろう。都市部の、ちょっと緑の多い住宅街に住んでいる人にとって、冬の使者はジョウビタキ…

秋のキジ

私のフィールドでは、春以外の季節にはキジの姿をあまり見かけない。留鳥だから、その辺にいるはずだが、見かけない。他の場所はどうなのだろう? と思って、「日本野鳥の会埼玉」公式ホームページの「30年間の探鳥会記録」というサイトを調べてみた。同会が…

孤独な季節が来る前に

夏の間、ほとんど見かけることのなかったモズが、秋の初め、けっこう目立つところで高鳴きを始める。季節が進むにつれて、どこもかしこも高鳴きだらけになる。2羽がほとんど同時に鳴き出すこともある。モズの高鳴きは、冬を過ごす場所のなわばり宣言と考えら…

バトルの秋 その2

ハクセキレイはもともと気が強いのか、季節に関わらず、しょっちゅう他の鳥を攻撃しているのを見る。体のずっと大きいコアジサシも、攻撃しまくって追い散らす。コアジサシだってけっこう怖い鳥で、その繁殖地にみだりに踏み込むと、人間も恐れずに突っかか…

バトルの秋 その1

バトルの秋 その1 繁殖期には、いろんな場所でいろんな鳥の争いが勃発する。1対1、ペア対ペア、同種同士はもちろん、異種混合もある。何しろ、つがいの相手や縄張りの確保、言いかえれば自分の遺伝子の存続がかかっているのだ。みんな気が立っていて、一触…

謎解きの季節

サシバの渡りというと、伊良湖岬や白樺峠の壮大な光景を思い浮かべる人が多い。そういう渡りの名所は言わば “空の高速道路”の、ほんの一部である。東北や関東北部の繁殖地から越冬地である東南アジアへつながる壮大な “空の高速道路”は、サシバにしか見えな…

鳥枯れの季節

見沼田んぼの東西2ヶ所で、毎月1回ラインセンサスをしている。依頼された調査ではない。自主的な、というより、趣味の調査である。やらなくても何のペナルティもない。しかし、やらないと落ち着かない。やらないでは、いられない。調査では約2kmの距離を1時…

親の心、子知らず

公園の木陰に、ハシボソガラスの親子がいた。子ガラスは2羽。なんとともいえない、強いて言えば“キモカワイイ”甘え声を出している。親に食べ物をねだっているのだろう。親は、積み重なった落ち葉をめくったり、地面を突いたり。まもなく一匹のミミズを引きず…

ムクドリたちの“約束の地”

ひと月ほど前までは、あっちの家でもこっちの家でもギャーギャー、ジャージャーとムクドリたちが大騒ぎしていた。餌運びでてんてこ舞いの親鳥たち、メシよこせ、メシよこせと騒ぎ立てる子供たち。さらに成鳥4,5羽の群れが巣の周囲をうろつきだす。この連中…

ゴミステーション攻防戦

早朝に、双眼鏡をぶらさげて近所を散歩する。1時間ほど歩きまわると、けっこう、いろいろな鳥に出会えて楽しい。ところで、この日出会ったのは、ゴミを散らかしている1羽のハシブトガラスであった。 その集積場では、ゴミ袋の山にネットがかぶせてあったが、…

ホオジロは かく語りき

小学生とその親を対象にした探鳥会での出来事。リーダーが「ホオジロは“一筆啓上仕り候”とさえずります」と言ったら、子供たちは皆、きょとんとしていたという。そりゃ、そうだ。自分ではまず使わない言葉である。テレビの時代劇も“絶滅危惧種”的存在だから…

ほんとに短い? カラスの行水

雨の後、畑にできた小さな水たまりで、ハシボソガラスが水浴びを始めた。まず頭部を豪快に水に突っ込む。続いて、これまた豪快に翼をはばたかせ、水面に叩きつける。水しぶきが全身にかかる。いわばシャワーである。頭を突っ込む→全身シャワー。これを2セッ…

鳥の個性 

舳倉島から帰ってきて3日後。今度は探鳥会に参加して三宅島へ行った。朝5時に島に到着してからほぼ半日で、アカコッコ、イイジマムシクイ、ウチヤマセンニュウ、カラスバト、コマドリ(亜種タネコマドリ)など、三宅に来たらぜひ見たい、という鳥は、ほとん…

シロハラホオジロ命名の謎

相性が悪いのか振られっぱなしで、ウラジオストックまで行っても振られたシロハラホオジロに、ついに会えた。2015年5月4日、舳倉島の水場近く。草むらに見え隠れする白黒の縞模様の頭。これこれ、この縞模様が見たかった~! 白・黒・白・黒と、ほんとに縞模…

食べて、歌って

4月の中頃になると、近所の緑地で早朝探鳥をします。狙いはもちろん、繁殖地へ向かう旅鳥たち。一番乗りはセンダイムシクイで、4月20日前後には「焼酎いっぱいグィー」が聞かれます。その次に来るのが、普通はオオルリのようですが、この緑地にはあまり現れ…

カラス語あれこれ

「ハシブトガラスはカーカーと澄んだ声、ハシボソガラスはガーガーと濁った声」 鳥見のビギナーだった頃、こんなふうに習いました。あれからX十年、この“法則”には例外がある、あるなんてものではない、けっこう多い、ということが分かってきました。ハシブ…

vs カケス

<前回の続きです> オオタカのまねをするカケスにだまされてから数年がたちました。 彼らは毎年、秋になるとマイフィールドのあちこちに現れ、いろいろ怪しげな声を出します。しかし、この時季にオオタカの鳴きまねをしているのを聞いたことがありません。冬…

もしかしたら…

数年前、さいたま市に引っ越してきたばかりの頃です。季節は早春。歩いていける範囲に鳥見に良い場所はないかと、近所をうろついていました。そして、家から徒歩10分ほどで行ける小さな緑地を見つけました。おなじみのカラ類にシロハラやらシメやら、けっこ…

竹竿にコゲラ

コゲラの話の続きです。電柱はさすがに利用できないとは思いますが、コゲラが竹竿をドラミングに利用しているのを観察したことがあります。数年前のことです。 その竹竿は、遊歩道の街路樹の支えとして使われているものでした。そこに1羽のコゲラがとまりま…